イイネ!食「自分に合うトクホ健康パワー」Chapter 5-⑲
今回、第5章19編のテーマは、
「イイネ!食『自分に合うトクホ健康パワー』」。
サブタイトルは「ヨーグルトの効能と選び方」、
である。
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ヨーグルト(※1)は健康食品であると、
知ってはいるものの、
具体的に乳酸菌(※2)が腸の働きに良い、
くらいのことしか知らない。
そういう方も多いのではないだろうか。
かく言う私自身も少し前まで同じ状態であった。
今回はヨーグルトの健康パワーをご紹介する。
また、市販のトクホ製品のどれが良いのか?
コチラも明らかにしたい。
まずは「ヨーグルト」の位置づけを確認したい。
津川友介先生(※3)によると下表のとおり。
「ヨーグルト」は「グループ2」に属する。
即ち「健康に良いかもしれない食品」であり、
「少数の研究で健康に良い可能性が示唆される」。
ヨーグルトは「納豆、豆乳、お茶、コーヒー、
ダークチョコレート(※4)」と、
同位で上位グループに位置付けられる。
次に上記の位置付けを踏まえて、
ヨーグルトの健康面の効能をご紹介したい。
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1.乳酸菌の働きによる、
便秘の解消・解消の薬効がある。
よく言われる通り、
ヨーグルトは腸の働きをよくする効能がある。
現在、ヨーグルトのなかには、
「トクホ(特定健康用食品(※5))」として、
消費者庁長官が許可しているものがある。
トクホのヨーグルトというのは、
「おなかの調子を整えるのに役立つ」など、
特定の「健康効果」が科学的に証明されている
と言ってよいだろう。
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2.免疫力を高める働きがある。
三愛病院医学研究所所所長、
済陽高穂先生(※6)によると以下の通り、
「健全な腸内環境は血流を促す」という。
「血流が良くなることで、
酸素や栄養素が全身の細胞に行きわたり、
体の冷えを防」ぐことになる。
そのために、
「温かい体は免疫細胞を活性化させ」る。
逆に言うならば、
免疫力を正常に保つためには、
ヨーグルトで「腸内環境を整えるのが鍵」
となるという。
なお済陽先生によれば最高の食べ合わせは、
「ヨーグルト」×「ぶどう」なのだそうだ。
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3.ガンの予防・改善に効果を発揮する。
前出の済陽先生によれば乳酸菌は、
「ピロリ菌(※7)の繁殖を抑える働き」を
持っている。
実際にピロリ菌は胃潰瘍、十二指腸潰瘍、
胃ガンの遠因になる。
また乳酸菌の働きによって、
「ガン細胞などを攻撃する免疫細胞・NK
(ナチュラルキラー)細胞(※8)が、
活性化する」ことがわかっている。
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4.体をやせやすい体質に変化させる。
2011年ハーバード大学で食事内容が、
体重にどのような影響を与えるかを調査した
観察研究がある。
結論としては以下の表にもある通り、
ヨーグルトを食べていた人は、
一番体重が減っていたことが証明されたのだ。
また東京農工大学院特任准教授、
木村郁夫先生(※9)の研究によって、
腸内細菌で作られる短鎖脂肪酸(※10)は、
天然のやせ成分」だと明らかになっている。
木村先生によれば、短鎖脂肪酸とは
「食べ過ぎた糖質や脂肪の取り込みを防ぎ、
しかも余分なカロリーを消費するという、
2つの働きで体をやせ体質に、
変化させてくれる優れもの」なのだ。
管理栄養士菊池真由子(※11)先生によると、
やせ成分を増やす最高の組み合わせは、
「ヨーグルト」×「いちご or キウイ」という。
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5.アンチエイジング効果がある
同志社大学生命医科学部教授、
八木雅之先生(※12)の長年の研究によれば、
ヨーグルトに含まれる成分には、
アンチエイジング(※13)効果があることが、
判明した。
八木先生によると以下の通りである。
「老化の原因は食後に血糖値が高くなることで
タンパク質と糖が糖化が結び付き易くなり、
そのとき老化の原因物質(AGEs(※14))が、
生まれてくることにあ」るという。
「ヨーグルトには糖化に向かう過程を、
阻害する抗糖化作用がある」のだ。
なお管理栄養士の望月理恵子先生(※15)は、
「食べ過ぎを抑えたいならヨーグルトを食前に、
食べた満足感を得たいなら食後」
をすすめられる。
ヨーグルトは「食事に採り入れることで、
食後の血糖値が上がりにくくなる」作用もある
スグレものなのである。
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6.1日の標準目安量を守る(摂り過ぎない)。
最後にひとつ注意点がある。
健康にとって良いからといっても、
ヨーグルトの摂り過ぎは逆効果になる。
前出の津川先生も、
ハーバードの研究者たちは、
「ヨーグルトだと170~450gが上限」と
アドバイスしている点を紹介される。
高まる可能性が(中略)示唆されている」
というのだ
特にトクホのヨーグルトには、
1日の標準目安量が記載されている。
大抵100gであり、これを守れば安心である。
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7.どの商品を選ぶのがよいか。
まさにヨーグルトが健康食品であることは、
ご理解いただけただろうか。
さて、市販の製品でどのヨーグルトを選べば、
よいのだろうか?
トクホマーク付きが基本である。
だた、それでも数が多い。
改めて大手3社の「プレーンヨーグルト」、
トクホマーク付きの商品の比較を行いたい。
また最後に恒例となった、
「まっちゃん勝手ランキング」もお届けする。
今回は大手乳製品製造メーカー3社、
2018年度営業利益の大きい順、
すなわち
㈱明治 (以下明治と略)、
森永乳業㈱(以下、森永と略)、
の順に商品をチェックしてゆきたい。
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1.㈱明治
LB81プレーン
ヨーグルトの正統
①製造 :㈱明治(※16)
②内容量 :400g
③摂取目安量:100g/1日
④関与成分:
・ブルガリア菌2038株
:10憶個以上
・サーモフィラス菌1131株
:100憶個以上
⑤成分組成:
・無脂乳固形分:9.5%
・乳脂肪分 :3.0%
⑥AGE抑制率(%):60.1%
⑦成分表示:100gあたり
・エネルギー:62kcal
・たんぱく質: 3.4g
・脂質: 3.0g
・炭水化物: 5.3g
糖質: -g
食物繊維: -g
・食塩相当量: 0.13g
・カルシウム: 109mg
⑧値段: 262円(税別)
評価
①風味 :5
②ブレンド :5
③健康 :5
④AGE生成抑制 :5
⑤価格 :3
⑥独自性 :4
⑦その他(調整):±0
⑧総合点 :27/30
コメント:
3社中一番酸味が効いていて、
スッキリした味わい。
硬さは中間くらいの食感。
おススメ果物との相性も抜群。
管理栄養士の菊池先生はじめ、
健康パワーはダントツ。
乳酸菌数は他2社の10倍以上。
個人的に半月のテスト結果で、
一番整腸の効果を実感できた。
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2.森永乳業
ビヒダス プレーンヨーグルト
大腸まで届くビフィズス菌入り
①製造 :㈱森永乳業(※17)
②内容量 :400g
③摂取目安量:100g/1日
④関与成分:
・ビフィド額テリウム
・ロンガムBB536
:計20憶個以上
⑤成分組成:
・無脂乳固形分:9.5%
・乳脂肪分 :3.0%
⑥AGE抑制率(%):48.5%
⑦成分表示:100gあたり
・エネルギー:65kcal
・たんぱく質: 3.7g
・脂質: 3.1g
・炭水化物: 5.5g
糖質: -g
食物繊維: -g
・食塩相当量: 0.13g
・カルシウム: 120mg
⑦値段: 220円(税別)
評価
①風味 :4
②ブレンド :4
③健康 :4
④AGE生成抑制 :4
⑤価格 :5
⑥独自性 :4
⑦その他(調整):±0
⑧総合点 :25/30
コメント:
酸味甘味のバランスが良い。
クセのない味わい。
3社中一番硬みを感じられて
しっかりとした食感がある。
果物等との相性も悪くない。
個人的に半月のテスト結果で、
整腸作用を実感できた日と、
そうでない日が約半々だった。
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3.雪印メグミルク
ナチュレ恵プレーンヨーグルト
現代日本人のおなかに
①製造 :㈱雪印メグミルク(※18)
②内容量 :400g
③摂取目安量:100g/1日
④関与成分:
・ガゼリ菌SP株
:5憶個以上
・ビフィズス菌SP株:
:10憶個以上
⑤成分組成:
・無脂乳固形分:9.5%
・乳脂肪分 :3.0%
⑥AGE抑制率(%):45.2%
⑦成分表示:100gあたり
・エネルギー:63kcal
・たんぱく質: 3.6g
・脂質: 3.1g
・炭水化物: 5.2g
糖質: -g
食物繊維: -g
・食塩相当量: 0.11g
・カルシウム: 110mg
⑦値段: 250円(税別)
評価
①風味 :3
②ブレンド :3
③健康 :4
④AGE生成抑制 :3
⑤価格 :4
⑥独自性 :3
⑦その他(調整):±0
⑧総合点 :21/30
コメント:
3社中で一番甘味がある。
やわらかさは真ん中であり、
柔らかく弾力ある食感が特徴。
若干風味はクセがあるため、
慣れるのに時間がかかった。
個人的に半月のテスト結果で、
整腸作用を実感できた日が、
一番少なく約4~5日だった。
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それでは、整理しておこう。
「トクホヨーグルト」
「まっちゃん勝手ランキング」
結果は、以下の通り。
1位:明治 ブルガリア
ヨーグルトプレーン
27点
(評価ポイント)
①果物類と相性の良い酸味
②乳酸菌量の圧倒的多さ
2位:森永 ビヒダス
プレーンヨーグルト
25点
(評価ポイント)
①すっきりしたクセのない味
②しっかりした食感あり
ナチュレ恵ヨーグルト
21点
(評価ポイント)
①酸味を抑えたかすかな甘味
②柔らかく弾力のある食感
ひとつの参考にしてほしい。
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「トクホ ヨーグルト」。
前出の菊池真由子先生によると、
本来はどのメーカが良いかは
「自分の腸に棲みついている、
善玉菌の状態に近い」ものが、
ベストであるといわれる。
まさに人それぞれということ。
同じ種類を2週間食べて、
排便のスムーズさとリズムと
で選ぶとよいそうだ。
本当は簡単にランキングに
できないのも事実。
さあご自身に合うものを、
見つけてみてはいかがj?
(今日のひとこと)
個人的にはここ2か月で、
上記3つを試した結果、
「明治ブルガリア」だった。
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(注釈)
※1 ヨーグルトについて
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%88
※2 乳酸菌とは?
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%B3%E9%85%B8%E8%8F%8C
※3 津川友介先生について
https://hgpi.org/about/member/tsugawa.html
※4 ダークチョコレートとは?
http://qa.meiji.co.jp/faq/show/2557?site_domain=default
※5 トクホ(特定健康用食品)とは何か?
※6 済陽高穂先生について
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%88%E9%99%BD%E9%AB%98%E7%A9%82
※7 ピロリ菌とは?
※8 NK(ナチュラルキラー)細胞とは?
※9 木村郁夫先生について
http://web.tuat.ac.jp/~kimura/kimura.html
※10 短鎖脂肪酸とは?
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%AD%E9%8E%96%E8%84%82%E8%82%AA%E9%85%B8
※11 菊池真由子先生について
https://www.diet-class.com/profile.html#uneisya
※12 八木雅之先生について
https://www.food.hayashibara.co.jp/library/2/3/
※13 アンチエイジングとは?
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%97%E8%80%81%E5%8C%96%E5%8C%BB%E5%AD%A6
※14 AGEsとは何か?
https://ja.wikipedia.org/wiki/AGEs
※15 望月理恵子先生について
http://luce-h.com/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%A6%82%E8%A6%81/
※16 ㈱明治について
※17 森永乳業㈱について
https://www.morinagamilk.co.jp/
※18 ㈱雪印メグミルクについて
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(参考図書)
・津川友介著
「世界一シンプルで科学的に証明された
究極の食事」(東洋経済新聞社)
・笹井恵里子著
「週刊文春 文春ムック
老けない最強食」(文藝春秋)
・済陽高穂著
「40歳からは食べ方を変えなさい」
(三笠書房)
・菊池真由子著
「食べても食べても太らない法」
(三笠書房)