ヤバイ食!「おふくろの味『肉じゃが』の功罪」Chapter 6-⑪
今回、第6章11編のテーマは、
『ヤバイ食!「おふくろの味『肉じゃが』の功罪」』。
今回は「肉じゃが(※1)」。
コチラを取り上げたい。
ところで、なぜ肉じゃがが「ヤバイ食」なのか?
和食でヘルシーではないのか?
疑問に思われた方も多いのではないだろうか。
その理由を明らかにしたい。
まずは、理由を明かす前に、
皆さんに、ひとつクイズである。
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以下3つの家庭料理の中で、
一番糖質量の高いのはどれ?
(「糖質量ハンドブック」による基準)
①肉じゃが
(牛こま切れ肉60g)
②デミグラスハンバーグ
(合いびき肉100g)
③鶏のから揚げ
(鶏もも肉150g)
さあ皆さんの答えはいかがだろうか?
・・・
最初に「ヤバイ食! 肉じゃが」としているので
カンの良い方は「ひょっとして肉じゃが?」、
と思われただろうか?
・・・
・・・
今回は早速回答を出したい。
それぞれ①~③の糖質量を出してみたい。
・・・
①デミグラスハンバーグ
糖質量:18.6g
・・・
②肉じゃが
糖質量:43.6g
・・・
③鶏のから揚げ
糖質量:12.6g
・・・
よって、解答は「②肉じゃが」。
他2つに比べても断トツの糖質量である。
角砂糖に換算すると、何と11個分になる。
最初に「肉じゃが」を「ヤバイ食」とした理由は、
お分かりいただけただろうか。
参考までに、
肉じゃが(家庭料理)の栄養成分は以下の通り。
・肉じゃが(家庭料理)(牛こま切れ肉60g)
・糖質量 : 43.6g
・たんぱく質: 11.0g
・脂質: 23.9g
・塩分: 3.0g
・カロリー: 472kcal
・「糖質量ハンドブック」
(山岸昌一監修 西東社)
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第1に、
「肉じゃが」の「罪」の部分。
特に糖質制限を推奨される医師は、
肉じゃがに代表される、和食に対して、
厳しいコメントをされる。
AGE牧田クリニック院長、
牧田善二先生(※2)によれば、以下の通り。
「やせたけりゃ和食を食べろは大間違い」
と断言される。
「肉じゃが」をはじめ「『みりん』『砂糖』
『お酒』を使った和食の味つけは、
隠れた糖質の代表格。」
「安心して食べていると、
すぐに糖質オーバーになってしまう」
とされる。
「和食はヘルシーなんかじゃない」。
牧田先生おひとりだけではない。
もう一人のご意見を紹介したい。
一般財団法人高雄病院理事長、
江部康二先生(※3)によれば以下の通り。
「和食=ヘルシーというイメージが
浸透していますが、
糖質オフの観点ではまったくの間違い」
と断言される。
特に肉じゃがについては、以下の通り。
「ご飯を減らしても肉じゃがには
糖質がいっぱい。
具材のじゃがいもや玉ねぎも、
糖質食品です!」と手厳しい。
参照:
「糖質オフ たったこれだけ」
(牧田善二監修 宝島社)
「 医師の食事術 たったこれだけ」
(江部康二監修 宝島社)
こう見てみると、
肉じゃがはあまり食べてはいけない、
「NG」のおかずであるように見える。
確かに和食の中でも、
断トツに糖質量が高いのは事実である。
ただ、「肉じゃが」はNGとばかりも言いきれない。
第2に、
「肉じゃが」の功の部分である。
肉じゃがで使用される食材。
コチラを詳細にチェックすると、
必ずしも全てNGとは言い切れないのだ。
詳しく見てみたい。
肉じゃがに用いられている、
代表的な食材と言えば次の5つあろう。
①牛肉
②じゃがいも
③たまねぎ
④にんじん
⑤しらたき
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5つの食材それぞれの健康効果について、
以下に簡潔に挙げてみたい。
①牛肉
・「L-カルニチン(※4)」が豊富
脂肪を燃焼させるうえ、
血液と血管を若返らせる効果がある。
・タンパク質が豊富
全身の細胞を作る重要な材料になる。
②じゃがいも
・クロロゲン酸(※5)が豊富
糖質の吸収を抑える働きがあり、
糖尿病の予防のに効果がある。
・ビタミンCが豊富(リンゴの約8倍)。
抗酸化作用を発揮して免疫力を高め、
風邪などのウイルス疾患や、
がんの予防に有用である。
③玉ねぎ
・硫化アリル(※6)が豊富
血液をサラサラにする働きがあり、
動脈硬化や高血圧の防止に効果がある。
・クロロゲン酸(※5)が豊富
脂肪の吸収抑制効果が高く、
過剰な体脂肪を排出するのを助ける。
④にんじん
・βカロテン(※7)が豊富
活性酸素を除去して免疫力が上がり、
血液のめぐりが改善される。
その効果としては以下の4つある。
・動脈硬化を防ぐ
・ボケを防ぐ
・がんを防ぐ
・美肌効果
⑤しらたき
・食物繊維が豊富
一緒に食べた糖質の吸収を遅らせ、
血糖値の急上昇を抑える効果がある。
加えて腸の活動を活発にさせて
お通じを良くする効果がある。
参考:健康効果については以下から抜粋。
・「図解 40歳からは食べ方を変えなさい」
(済陽高穂著 三笠書房刊)
・「図解 食べれば食べるほど若くなる法」
・「糖質制限ダイエット
お得技ベストセレクション」
(周東寛/稲島司監修 晋遊社)
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上記の通り肉じゃがに含まれている各食材は、
いずれも健康食材とも言える。
問題はダシの味付けぐらいということになる。
どれだけ砂糖などを抑えて味付けをするか。
コレがポイントとなる。
第3に
「肉じゃが」の功罪を受けて、
コンビニ「肉じゃが」のチェック。
それでは3社の提供する「肉じゃが」の
栄養成分を見てみたい。
コンビニ3社の平均データ
肉じゃが (内容量平均200g)
・糖質量 : 26.9☆g(▲16.7)
☆1社糖質量の記載がないため推定値
・たんぱく質: 7.1g (▲ 3.9)
・塩分: 2.1g (▲ 0.9)
・カロリー: 214kcal (▲ 258)
一般家庭料理の「肉じゃが」に比べると、
糖質量・たんぱく質・塩分・エネルギー量
いずれも低いという結果となった。
・「糖質量ハンドブック」
(山岸昌一監修 西東社)
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実際に、コンビニ大手3社の 「肉じゃが」。
コチラの食べ比べに移りたい。
今回も「まっちゃん勝手ランキング」、
最後に発表したい。
ファミリーマート(以降「ファミマ」と略)、
ローソン、の順に見てゆきたい。
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1.セブンイレブン
黒毛牛肉(アンガス種)使用
おだしが利いた肉じゃが
①共同開発:(株)ヤマザキ(※8)
②内容量 :200g
③内容 :以下の5種類
①じゃがいも
②たまねぎ
③牛肉(アンガス種※9)
④しらたき
⑤にんじん
④特徴 :セブン&iプレミアム
⑤調理時間:2分00秒
(電子レンジ500W)
⑥成分表示:1食あたり(200g)
・エネルギー:234kcal
・たんぱく質: 7.6g
・脂質: 9.8g
・炭水化物: 30.2g
糖質: 27.4g
食物繊維: 2.8g
・食塩相当量: 2.2g
⑥値段: 268円☆(税込 8%)
268☆円(200g換算)
評価
①内容 :4
②ダシ :4
③味覚 :4
④健康 :3
⑤価格 :4
⑥独自性 :3
⑦その他(調整):±0
⑧総合点 :22/30
コメント:
セブンらしく、
風味を重視しつつも、
健康にも配慮した肉じゃが。
タレは3社中真ん中の濃さで、
量も2番目である。
風味はほんのりとした甘さ。
ダシは具材に十分しみ込み、
具材との相性はとても良い。
具材も牛肉のジューシーさ、
じゃがいも・人参も豊富。
何よりもコスパが一番高い。
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2.ファミリーマート
お母さん食堂 ファミマ商店街
アンガス種牛肉使用
肉じゃが
①共同開発:ジェイフード(株)(※10)
②内容量 :210g
③内容 :以下の5種類
①じゃがいも
②たまねぎ
③牛肉(アンガス種※9)
④しらたき
⑤にんじん
④特徴 :野菜の甘味と牛肉の旨味に
鰹だしがしみ込んでいます。
⑤調理時間:2分30秒
(電子レンジ500W)
⑥成分表示:1食あたり(210g)
・エネルギー:244kcal
・たんぱく質: 8.0g
・脂質: 8.4g
・炭水化物: 36.5g
糖質: 31.9g
食物繊維: 4.4g
・食塩相当量: 2.1g
⑥値段: 289円☆(税込 8%)
275☆円(200g換算)
評価
①内容 :4
②ダシ :3
③味覚 :3
④健康 :2
⑤価格 :3
⑥独自性 :3
⑦その他(調整):±0
⑧総合点 :18/30
コメント:
ファミマらしく、
徹底して風味重視。
糖質量は唯一30gを超える。
タレは3社中一番濃厚で、
甘味も強い。
量も100gと一番多い。
ダシは具材に十分しみわたる。
具材との相性もまずまず。
具材は牛肉は柔らかく、
じゃがいも・人参は豊富。
好き嫌いは分かれるが、
肉じゃが本来の甘みが特徴。
若年層も意識した肉じゃが。
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3.ローソン
牛肉とホクホクの
メークインを使用した
肉じゃが
①共同開発:日本水産(株)(※11)
②内容量 :190g
③内容 :以下の5種類
②たまねぎ
③牛肉(産地不明)
④にんじん
⑤しらたき
④特徴 :保存料・合成着色料不使用
⑤調理時間:2分00秒
(電子レンジ500W)
⑥成分表示:1食あたり(190g)
・エネルギー:164kcal
・たんぱく質: 5.7g
・脂質: 4.9g
・炭水化物: 24.1g
糖質: -g(記載なし)
食物繊維: -g(同上)
・食塩相当量: 2.1g
⑥値段: 268円☆(税込8%)
282☆円(200g換算)
評価
①内容 :3
②ダシ :3
③味覚 :3
④健康 :5
⑤価格 :3
⑥独自性 :4
⑦その他(調整):±0
⑧総合点 :21/30
コメント:
ローソンらしく、
徹底して健康を重視。
糖質量は20g強でセブンより約5g、
ファミマより約10g少ない。
タレは3社中一番薄味で、
甘味はかなり抑えられている。
量も190gと一番少ない。
ダシは具材にしみているものの、
メークインなど具材によって
素材の味がかなり引き立つ。
具材は他2社に比べると少なめ。
好き嫌いは明確に分かれるが、
肉じゃがの功罪両方を、
積極的に取り入れた内容。
一言で薄味のヘルシー肉じゃが。
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最後に整理しておこう。
コンビニ肉じゃが食べ比べ、
「まっちゃん勝手ランキング」
の結果は以下の通り。
栄えある、
第1位は、
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
「黒毛牛肉(アンガス種)使用
お出しが利いた肉じゃが」。
・・・
得点:22点
(評価ポイント)
①風味重視で健康にも配慮
②ほんのりした甘味ダシの味付け
③ダシと豊富な食材の相性
続いて、
第2位は、
・・・
・・・
・・・
ローソン
「牛肉とホクホクの
メークインを使用した
肉じゃが」
・・・
得点:21点
(評価ポイント)
①ローソンらしく糖質を抑えた
健康志向
②ダシは甘味を抑えた薄味
③食材のメークイン使用
残念ながら
第3位は、
・・・
「アンガス種牛肉使用
肉じゃが」
・・・
得点:18点
(評価ポイント)
①ファミマらしく風味重視
②濃厚な甘味のダシたっぷり
③食材へのしみ込み具合
ひとつの参考にしてほしい。
**********************
「肉じゃが」。
糖質制限している身からすれば、
セブンはほんのり甘味を感じた。
ファミマは甘味が強いと感じた。
両社の糖質量差は5g程度。
逆にローソンのダシは、
かなり薄く感じた。
コチラは糖質量20g前半。
セブンとの8gの砂糖の差は、
味覚に与える影響が大。
3社の肉じゃがを食べてみて、
どれがおいしいと感じるか。
コレによって
おふくろの肉じゃがの味は、
甘さが強かったのか、
薄味だったのか、
わかるだろう。
(今日のひとこと)
「おふくろの味」とは、
糖質量によって
おいしいと感じるように
長年舌が慣らされた味覚。
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(注釈)
※1 肉じゃがについて
https://ja.wikipedia.org/wiki/肉じゃが
※2 牧田善二先生について
http://www.ageclinic.com/doctor/
※3 江部康二先生について
https://ja.wikipedia.org/wiki/江部康二
※4 L-カルニチンについて
https://ja.wikipedia.org/wiki/カルニチン
※5 クロロゲン酸について
https://ja.wikipedia.org/wiki/クロロゲン酸
※6 硫化アリルについて
https://ja.wikipedia.org/wiki/硫化アリル
※7 β-カロテンについて
https://ja.wikipedia.org/wiki/Β-カロテン
※8(株)ヤマザキについて
※9 アンガス種(牛)について
https://the360.life/U1301.doit?id=2978
※10 ジェイフード(株)について
※11 日本水産(株)について
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