イイネ!食「コンビニ エビチリ戦略」Chapter 5-④

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今回、第5章4編のテーマは、

『イイね!食「コンビニ エビチリ戦略」』である。

 

前回・前々回に続いてコンビニ中食(※1)代表格、

海老チリソース(※2)(以下「エビチリ」と略)

を取り上げてコンビ二の戦略を見てみたい。。

  

前編で「おふくろの味」が高糖質であると伝えた。

 

では、エビチリを始めとした中華料理はどうか?

何かイメージだけで高糖質であるように思える。

本当なのか、具体的にチェックしてみたい。

 

確かに並べてみると、主食系は軒並み高い。

高いほうから並べてみる。

 

①中華丼

 糖質   :123.6g

 エネルギー:810kcal

 

②五目チャーハン

 糖質   :103.1g

 エネルギー:748kcal

 

冷やし中華

 糖質   :84.2g

 エネルギー:606kcal

 

④ちゃんぽん

 糖質   :67.5g

 エネルギー:594kcal

 

⑤醤油ラーメン

 糖質   :58.1g

 エネルギー:490kcal

 

それ以外の一品料理については

必ずしも糖質は高くない。

 

代表的な料理を、

今度は低いものから挙げてみる。

 

①肉野菜炒め 

 糖質   :3.4g

 エネルギー:188kcal

 

②ニラレバ炒め

 糖質   :3.8g

 エネルギー:171Kcal

 

③バンバンジー

 糖質   :3.9g

 エネルギー:135kcal

 

ホイコーロー

 糖質   :7.1g

 エネルギー:249kcal

 

⑤チンジャオロース

 糖質   :7.6g

 エネルギー:182kcal 

 

確かに、中華と和食とを比べて、

和食が中華より糖質が低い、

というのは無理がある。

 

さて、それは今回のテーマの

エビチリはどうなのだろうか?

 

外食での糖質量・エネルギーは、

以下の通り。

 

エビチリ

糖質   :12.7g

エネルギー:167kcal 

 

決して低いとは言えない。

中華料理の中では、

中位クラスの糖質量である。

 

和・洋の外食で見てみると、

同じ位の糖質量(★)の料理は以下の通り。

 

 ・ぶり大根

 糖質   :13.0g

 エネルギー:236kcal

 

・揚げ出し豆富

 糖質   :12.4g

 エネルギー:156kcal

 

・鶏のなんこつ揚げ

  糖質   :11.7g

 エネルギー:197Kcal

 

・豚の生姜焼き

 糖質   :11.6g

 エネルギー:343kcal

 

同じ中華料理で見ると、

以下が同じくらいの糖質量となる。

 

チンゲンサイのクリーム煮

 糖質   :12.4g
 エネルギー:163Kcal

 

・カキの中華炒め
 糖質   :11.8g
 エネルギー:148kcal

 

・春巻き
 糖質   :11.4g
 エネルギー:140kcal

 

☆参考:
・「新糖質量ハンドブック」
 (大柳珠美監修 主婦の友社

・「糖質量ハンドブック
 (山岸昌一案集 西東社

 

それでは、なぜ今回エビチリなのか?

きわめて個人的な理由からである。

 

小中学生のころ、自宅近くに

とある大衆中華料理屋があった。

 

たまの外食に、コノ中華料理屋へ行った。

ココの名物こそ、今回のテーマ

「海老のチリソース」だった。

 

「コレ位うまいものが世の中にあるのか」、

当時はそう思えるくらいのうまさだった。

個人的にエビチリの味の原点であった。

 

これまで何度となく高級店から庶民的な店まで

中華料理屋に行く度に、メニューにある限り、

ほぼ毎回「エビチリ」をオーダーしてきた。

 

ただ現在に至るも、残念ながら

あの原点を超える味にめぐり合っていない。

(以下、「原点の味」と略)

  

果たして、コンビニ3社のエビチリは、

「原点の味」に迫ることができるのか?


******************** 

コンビニ大手3社はともに、

以下の通りの内容量・カロリー・糖質量にて

エビチリを販売している。

 

・内容量:   140g~160g

・カロリー:  167kcal~210kcal

・炭水化物(●): 14.2g~18.5g

  ●ローソン1社が糖質量公表していないため、

  炭水化物量で記載。

 

一般的なクックパッドによる家庭料理エビチリと

比較してみたい。

 

・内容量:   125g

・カロリー:  251kcal

・糖質  :   14.2g

たんぱく質:  23.9g

・脂質  :    8.4g

・塩分  :    2.0g 

 

コンビニ3社4商品平均データ(家庭料理との差)

・内容量 :  146g  (+21.0g)

・カロリー:  185kcal(-66kcal)

・糖質(●): 15.4g  (+ 1.2g)

たんぱく質:  8.2g (-15.7g)

・脂質:     9.8g (+ 1.4g)

・塩分:     2.7g (+ 0.7g)

●:ローソンについては概算量で算出。

 

「不健康イメージの強いコンビニ」。

まずは家庭でのコンビニと若干違いはあるが、

大きく劣っているのはたんぱく質量くらい。

 

平均的レベルで、まずは合格点といってよいか。

**********************

さて、コンビニ大手3社の 

「海老チリ(ソース)」戦略

チェックしたい。

 

「原点の味」にどこまで迫れるか?

「まっちゃん勝手ランキング」

もお届けする

 

今回は大手3社中で唯一、

ファミリーマート

2種類の海老チリを販売する。

 

コノ点に敬意を表して、

今回は ファミリーマートから

スタートしたい。

 

 ①ファミリーマート

  (以下「ファミマ」と略)

 ②セブンイレブン

  (以下「セブン」と略)

 ③ローソン

 

 上記の順にみていく。

 **********************

1.ファミリーマート

 

 ファミマは、双方向戦略で、

以下①商品をローソン(〇)へ、

以下②を対セブンへ

各々ぶつけて対抗する。

 〇今回は含めていないが冷凍エビチリも販売。

 

①大きな海老の

 海老チリソース

 

 ①共同開発:日本水産㈱(※3)

   

 ②内容量:160g

 

 ③個数 :3個(1個当たり53g)   

 

 ④特徴: お母さん食堂プレミアム

 

 ⑤調理時間:2分00秒

  (電子レンジ500W)

 

 ⑥成分表示:1食あたり(160g)

  ・エネルギー:196Kcal

  ・たんぱく質:10.4g

  ・脂質:    9.9g

  ・炭水化物: 14.2g

    (100g:   8.9g)

   糖質:   13.2g

   食物繊維:  1.0g

  ・食塩相当量: 3.4g

 

 ⑦値段:398円(税込)☆

    ☆249円(100g換算)  

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評価

 ①海老     :4

 ②味覚(タレ) :2

 ③健康     :4

 ④調理時間   :3

 ⑤価格     :3

 ⑥独自性    :4

 ⑦その他(調整):±0

   ⑧総合点    :20 /30

 

コメント:

「お母さん食堂プレミアム」商品。

大きなエクアドル産海老3匹で勝負。

(海老の原産地記載は3社中本商品のみ)

 

素材の海老の味を生かそうとしたのか、

以下②商品より糖質量を4.3g減らしたチリを使用。

チリの中のネギ、ショウガ等が大きめで目立つ。

 

ファミマとして対ローソンの健康的な戦略商品。

 

ただ、②商品と比較しても、

エクアドル産海老の大きさの存在感が強いだけに、

よけいにチリソースの味のパンチ力が物足りない。

 

残念ながら「原点の味」の足元にも及ばず。

 

①の大きめの海老を②のソースと絡めれば、

もう少し原点の味に近づけたのではと思う。

 

**********************

②旨辛ソースの

 海老チリ

 ①共同開発:日本水産㈱(※3)

   

 ②内容量:140g

 

 ③個数 :4個(1個当たり35g)   

 

 ④特徴:四川風豆板醤(※4)・にんにく・

     しょうが・長ねぎを使った旨辛ソース

     仕立てです。

 

 ⑤調理時間:2分00秒

  (電子レンジ500W)

 

 ⑥成分表示:1食あたり(140g)

  ・エネルギー:167Kcal

  ・たんぱく質: 7.7g

  ・脂質:    7.1g

  ・炭水化物: 18.5g

    (100g:  13.2g)

   糖質:   17.5g

   食物繊維:  1.0g

  ・食塩相当量: 2.9g

 

 ⑦値段:311円(税込)☆

    ☆222円(100g換算)  

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評価

 ①海老     :4

 ②味覚(タレ) :4

 ③健康     :3

 ④調理時間   :3

 ⑤価格     :4

 ⑥独自性    :3

 ⑦その他(調整):±0

   ⑧総合点    :21/30こちらは

 

コメント:

対セブン用の風味重視のエビチリ。

海老は4匹で、①より小ぶりで1匹多くした。

コチラは海老より、売りは「旨辛ソース」。

 

①に比べると、海老の主張は少し抑え目。

その分、チリソースの主張がやや強い印象。

 

ただ、チリソースの旨辛さ加減によって、

両者の相性は悪くない。

 

①よりも、はるかに「原点の味」に近づく。

ただ、ソースのパンチ力がまだ弱い。

 

********************** 

2.セブン・イレブン

 

味重視のセブンは、

1商品絞り込み集中戦略で

ファミマ・ローソンへ対抗。

 

 ・プリッとしたえびと豆板醤(※4)のうま味

 海老チリソース

 

 ①共同開発:日本ハム株式会社(※5

   

 ②内容量:140g

 

 ③個数 :5個(1個当たり28g)   

 

 ④特徴:セブンプレミアム商品

 

 ⑤調理時間:2分00秒

  (電子レンジ500W)

 

 ⑥成分表示:1食あたり(140g)

  ・エネルギー:178Kcal

  ・たんぱく質:  7.8g

  ・脂質:     8.4g

  ・炭水化物:  18.5g

    (100g:   13.2g)

   糖質:    17.1g

   食物繊維:   1.4g

  ・食塩相当量:    2.8g

 

 ⑦値段:311円(税込)☆

    ☆222円(100g換算)

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 評価

 ①海老     :4

 ②味覚(タレ) :5

 ③健康     :3

 ④調理時間   :3

 ⑤価格     :4

 ⑥独自性    :3

 ⑦その他(調整):

   ⑧総合点    :22/30

 

コメント:

リーダーのセブンはこの1商品で勝負。

海老はファミマよりやや小ぶりで5匹。

 

最初共同開発会社が日本ハムとあるので驚いた。

冷凍食品としての強みと、他の商品との関連で

開発したのだろう。

 

食べてみてセブンが本商品一本に絞り込んだ。

その理由の一端が分かったような気がする。

 

まずはチリソースの風味面で、

豆板醤のうまみの引き出しには成功している。

 

最高のソースのため、健康面を犠牲にして、

糖質量は紹介商品中で一番高い。

 

また、海老はファミマ製品より小ぶりだが、

「プリっとした」食感を出している。

ソースとの相性を抜群で重視している

 

海老そのものの素材のせいか、

それとも日本ハムの冷凍技術によるものかは、

私個人にもわからない。

 

結論として、

本商品は「原点の味」にかなり肉薄した、

と言っていい。

 

 ********************** 

3.ローソン

 

健康を重視するローソンは、

冷凍商品でファミマ・セブンと

差別化戦略で対抗。

 

豆板醤・麻辣醤(※6)を使った

ピリ辛ソースの

海老チリ

 

  ①共同開発:米久(株)(※7)

   

 ②内容量:145g

 

 ③個数 :5個(1個当たり29g)   

 

 ④特徴: 要冷凍

      ローソンセレクト

 

 ⑤調理時間:2分20秒

  (電子レンジ600W※)

   ※500W記載なし

 

 ⑥成分表示:1袋あたり(145g)

  ・エネルギー:210Kcal

  ・たんぱく質: 6.7g

  ・脂質:   13.8g

  ・炭水化物: 14.7g 

    (100g:  10.1g)

   糖質:        -g(記載なし)

   食物繊維:     - g(同上)

  ・食塩相当量: 2.6g

 

 ⑦値段:348円(税込)★

    ★240円(100g換算)

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評価

 ①海老     :3

 ②味覚(タレ) :3

 ③健康     :4

 ④調理時間   :2

 ⑤価格     :3

 ⑥独自性    :4

 ⑦その他(調整):

    ⑧総合点    :19/30

 

コメント:

ローソンだけは、要冷蔵のエビチリはなく、

要冷凍のエビチリしかなかった。

やむなく、コチラで比較することにした。

 

栄養成分的には、健康志向のローソンを貫く。

糖質量は記載ないが、

炭水化物量でファミマ②商品に少し劣る。 

海老はやや小ぶりでセブン同様の5匹。

 

麻辣醤(マーラージャン)を使ったチリソース。

こちらが本商品の売り。

確かにすっきりとした味に仕上がっている。

 

冷凍ということで、海老本来の風味の主張が強い。

ソースがあっさりとしているだけに、

海老独特の風味が余計に目立つ。

 

相性という点ではバランスを欠いている。

残念ながら「原点の味」からは足元にも及ばない。

 

**********************  

最後に、整理しておきたい。

 

コンビニ中食、

「海老チリ」バトル

「まっちゃん勝手ランキング」

結果は以下の通りだ。

 

 1位:

セブン・イレブン

海老チリソース  22

(評価ポイント)

 ①チリソースの風味重視

 (セブンらしさ)

 ②海老とソースとの相性

 (同上)  

 

2位:

ファミリーマート

海老チリソース  21点

(評価ポイント)

 ①チリソースのこだわり

 (やや風味重視)

  ②海老との相性の良さ

 

3位:

ファミリマート  

海老チリ    20点

(評価ポイント)

 ①エクアドル産大海老

 (ファミマらしい)

 ②健康志向商品

 (ファミマらしくなさ)

 

4位:

ローソン

海老チリ     19

 

(評価ポイント)

 ①本格健康志向ソース

 (ローソンらしさ)

 ②要冷凍商品で勝負

 (ローソンらしさ)

 

ぜひとも参考にしてほしい。

 

********************** 

さて、ココから妄想が始まる。

  

コンビニ エビチリ食べ比べ。

やってみて分かったことがある。

 

エビチリ「原点の味」の秘訣は、

チリソースの糖質量と、

豆板醤の旨味。

 

チリソースの味を残したままで、

味の強すぎない、

プリっとした食感の良い海老。

 

両者がうまくマッチしていた。

 

 まだまだ妄想は続く。 

 

セブンは、徹底して

豆板醤の旨味にこだわった。

海老はソースに合うものを。

 

共同開発会社は日本ハム

セブンにちょうどよかった。

 

ファミマは、戦略上で

素材の海老で差別化した。

 

セブンより大きな海老。

共同開発会社は日本水産

 

若干ソース開発が後手に。

コレも当然の結論。

 

 

最後にローソンは、

やはり健康志向、

食の安心安全を追求する。

 

要冷蔵のエビチリ

よりも

要冷凍のエビチリで勝負。

 

共同開発の米久

安心安全がモットーだ。

 

あなたは、

エビチリに何を求めるか?

それが何より大事だ。

 

**********************  

(注釈)

 

※1 中食とは何か?

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E9%A3%9F

 

※2 海老のチリソースとは?

 https://ja.wikipedia.org/wiki/エビのチリソース

 

 ※3 日本水産株式会社について

 http://www.nissui.co.jp/

 

※4 豆板醤とは何か?

 https://ja.wikipedia.org/wiki/豆板醤

 

※5 日本ハム株式会社について 

https://www.nipponham.co.jp/

 

※6  麻辣醤(マーラージャン)とは何か?

https://tabemono-news.com/2645.htm

 

※7 米久株式会社について

http://www.yonekyu.co.jp/

 

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