食「熱闘 炭酸甲子園」 Chapter 3-⑮
※コンビニにラインナップされたスパークリング。
今回、第3章15編のテーマは、
『食「熱闘 炭酸甲子園」』である。
いよいよ日本列島1年で一番熱い時期になる。
当然、飲料が1年で一番売れる時期でもある。
第12編のウイルキンソン(※1)に続き、
無糖炭酸水をめぐって展開される、
この夏の熱い闘いをご紹介したい。
もうすぐ始まる夏の甲子園大会になぞらえると、
正しく「熱闘 炭酸甲子園」。
そう呼ぶにふさわしい、壮絶な闘いが予想される。
真っ向から戦いを挑む、強力なライバルが登場した。
そのライバルこそ、「スパーリング」。
サントリーフーズの販売する無糖炭酸飲料である。
https://www.suntoryfoods.co.jp/
サントリーといえば、
ミネラルウォーター「天然水」、
緑茶は「伊右衛門」、
烏龍茶は「黒烏龍茶」などは有名だ。
ただし、無糖炭酸飲料分野では、
大変地味な立ち位置だった。
「天然水 スパークリング 有機レモン」
コレが孤軍奮闘。
コンビニの棚の隅にかろうじて陳列されていた。
売りは、「天然水」ブランドの水の美味しさ。
ウイルキンソンの最強刺激に対して、ほどよい刺激。
最強刺激が苦手なボリュームゾーンを狙った商品。
しかも、ウィルキンソンタンサンでなく、
ウィルキンソンレモンをターゲット。
そんな今年7月。
「スパーリング」が新作のクラフト2商品を
追加した4商品で炭酸市場に勝負に来た。
結構コレが強力なラインナップである。
ウィルキンソンが個性軍団、ばらつきは大きい。
スパークリングは秀才でチームワーク型。
みな平均以上の出来栄え。
特にクラフト2商品は強力な戦略商品だ。
そのラインアップが以下のとおり。
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1.天然水スパークリング 有機レモン使用
スパークリングの定番商品。
競合相手はウィルキンソンレモン。
天然水と有機レモンの素材で勝負。
成分(100mlあたり)
無糖 0g
エネルギー 0kcal ・
たんぱく質 0g
脂質 0g
炭水化物(糖類)0g
食塩相当量 0.002g
* **********************
2.天然水スパークリング 有機グレープフルーツ使用
スパークリングのレモンに次ぐ、定番商品。
競合相手はウィルキンソングレープフルーツ。
天然水と有機グレープフルーツの素材で勝負。
成分(100mlあたり)
無糖 0g
エネルギー 0kcal ・
たんぱく質 0g
脂質 0g
炭水化物(糖類)0g
食塩相当量 0.002g
* ***********************
3.クラフト天然水スパークリング
無糖ジンジャー
スパークリングのクラフト戦略商品。
競合相手はウィルキンソンエクストラ。
機能性表示食品(健康)に対して、風味で勝負。
国産のジンジャーを煮込んだシロップに、
有機ブドウ果汁・レモン果汁を加えた。
成分(100mlあたり)
無糖 0g
エネルギー 0kcal ・
たんぱく質 0g
脂質 0g
炭水化物(糖類)0.4g
食塩相当量 0.02g
* ***********************
4.クラフト天然数スパークリング
無糖うめ
スパークリングのクラフト戦略商品。
競合相手はウィルキンソンエクストラ。
機能性表示食品(健康)に対して、風味で勝負。
国産の梅を塩で漬け込んで、
成分(100mlあたり)
無糖 0g
エネルギー 0kcal ・
たんぱく質 0g
脂質 0g
炭水化物(糖類)0.4g
食塩相当量 0.05g
スパークリングのラインアップが登場して、
一気に、コンビニ3社の動きも慌ただしくなった。
実際に、今夏の「熱闘 炭酸甲子園」を仕掛けたのは、
「ファミリーマート」
と私は見ている。
以下に整理してみたい。
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①ファミリーマート(以下「ファミマ」と略)
過去ウィルキンソンを積極的に販売してきたファミマ。
今回、スパーリングを積極的にに販売を始めた。
もちろんウィルキンソンもそのまま販売する。
本来、ファミマはウィルキンソンとの関係は一番良好。
ほぼ全ラインナップを精力的に販売してきた
証拠はファミマ独自の1リットルボトル(写真※3)。
昨年7月にファミマのみ販売を開始(※1)した。
本体税抜価格は138円。
ウィルキンソンの1リットルボトル(写真※4)は以下。
本体税抜価格は180円。
何とファミマ発売品よりも42円も高い(※2)。
それくらいファミマとウィルキンソンは蜜月関係だった。
ところが、
あっさりと、ファミマはスパークリングを全面投入。
しかも4ラインナップを同時に。
コンビニが飲料メーカ―より強いことがハッキリわかる。
※1 ファミマの1リットルウィルキンソン販売告知
https://www.family.co.jp/goods/drink/4251002.html
※2 ウィルキンソンのラインアップ
https://www.asahiinryo.co.jp/wilkinson/sp/lineup/
※3 写真 ファミリーマート独自の1リットルボトル
※4 写真 ウィルキンソン本体の1リットルボトル(ローソンもコチラを販売)
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セブンは、アサヒ飲料との共同開発の自社ブランドを持つ。
「強炭酸水 天然水仕立て(写真※5)」
「強炭酸水レモン 天然水仕立て(写真※6」
の2商品。
ウィルキンソンタンサンおよびレモンより刺激を低め。
このため「強 炭酸水」と「最強」文字は付与していない。
両方とも成分(100mlあたり)は、以下の通りである。
エネルギー:0kcal
たんぱく質:0g
脂質 :0g
炭水化物 :0g
糖質 :0g
食物繊維:0g
食塩相当量:0g
写真 ※5 セブンの「強炭酸水」
写真 ※6 セブンの「強炭酸水レモン」
この夏、セブンもウィルキンソン タンサンを販売し始めた。
ファミマの仕掛けた闘いへの対抗策だろう。
「最強刺激」ウィルキンソンと「強刺激」自社ブランド。
スパークリングレモンを売り出している。
ハッキリ言って、節操がないといえばその通り。
正に、売れるものを売るというセブンの戦略である。
ファミマのようにラインナップは並べず、売れ筋を選択。
自社 :今日炭酸水と同レモン(2種類)
スパークリング:レモン (同上)
もちろん店によって仕入れは違うので一律には言えない。
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3.ローソン
残念ながら、今回の熱い戦いの範囲外にあるようだ。
というより、ローソンに明確な戦略意図が見えない。
ファミマのような、フルラインアップ戦略
セブンのような、売れ筋集中戦略
敢えていうなら、
ローソンは両者の中間戦略、
とでも言えるだろうか。
ウィルキンソンも、全種類置いてはいない。
タンサンはじめ多くて4種類。
タンサン1リットルサイズも販売。
スパークリングもレモンを中心に2~3種類。
熱闘の結果、
ウィルキンソンに転んでも、
スパークリングに転んでも、
リスク最小限に分散しておくということだろうか。
最後に、もう1社不気味なメーカーがある。
そう、日本コカコーラである。
こと炭酸飲料に関する限りトップメーカー。
現状コンビニで販売しているのは以下のみ。
「スパークリング いろはす」
ややこしい。
同じスパークリングでも、
日本コカコーラは「Sparkling」。
サントリーは「SPARKLING」。
区別するのは後者は「いろはす」ブランドだ。
ウィルキンソンタンサンやセブン強炭酸水より
刺激が柔らかい。
3社ともに販売しているようである。
「いろはす」ブランドの炭酸水というイメージ。
今のところ、レモンなどは出していないが
この先、不気味な存在だ。
成分(100mlあたり)は、以下の通りである。
エネルギー:0kcal
たんぱく質:0g
脂質 :0g
炭水化物 :0g
糖質 :0g
食物繊維:0g
食塩相当量:0g
実は、コカコーラは、
ウィルキンソン以上の「強炭酸水」を販売している。
コンビニでは見かけない。
カナダドライ「STRONG THE TANSAN」
スーパーなどで販売している 。
確かに、ダイレクトに飲むと、
胃から思わずゲップが出てしまうくらいの強烈さ。
ウィルキンソンタンサンで上記の症状はでない。
ウィルキンソン以上の刺激の強さか。
「強炭酸水無糖 ストロング ザタンサン(写真※7)」
「強炭酸水無糖 レモン ザタンサン(写真※8)」
成分(100mlあたり)は、両方とも以下の通り。
エネルギー:0kcal
たんぱく質:0g
脂質 :0g
炭水化物 :0g
糖質 :0g
食物繊維:0g
食塩相当量:0g
カフェイン:0g
※7 コカコーラの「カナダドライ ストロング ザタンサン」
※8 コカコーラの「カナダドライ レモン ザタンサン」
どうであろうか。
「熱闘炭酸甲子園」を盛り上げるメーカー・ブランド。
今年の熱い夏の闘いを制するのはどこだろうか?
絶対王者のウイルキンソンか?
新興王者のスパークリングか?
それとも、コカコーラのいろはすが何か仕掛けるか?
とても目が離せない。
長くなった。
最後に、王者ウィルキンソンの奮闘ぶりを伝えたい。。
今週日曜日、炎天下33度の大阪心斎橋駅。
何とウィルキンソンは無料で大量配布をしていた。
「ウィルキンソンレモン」!!
なぜ新発売のシトラスではないのだろうか?
まあ、それはいいか。
道に行く人はみなウィルキンソンレモンを手にしていた。
凄い宣伝効果だ。
1本もらった私は、すぐに飲んだ。
やはり、うまい。
絶対王者も手を抜かずにやっている。