食「熱闘 炭酸甲子園」 Chapter 3-⑮

 f:id:tmatsu06:20190723214155j:plain

※コンビニにラインナップされたスパークリング。

 

今回、第3章15編のテーマは、

『食「熱闘 炭酸甲子園」』である。

 

いよいよ日本列島1年で一番熱い時期になる。

当然、飲料が1年で一番売れる時期でもある。

 

第12編のウイルキンソン(※1)に続き、

無糖炭酸水をめぐって展開される、

この夏の熱い闘いをご紹介したい。

 

もうすぐ始まる夏の甲子園大会になぞらえると、

正しく「熱闘 炭酸甲子園」。

 

そう呼ぶにふさわしい、壮絶な闘いが予想される。

 

炭酸飲料王者のアサヒ飲料ウィルキンソン

真っ向から戦いを挑む、強力なライバルが登場した。

 

そのライバルこそ、「スパーリング」。

 

サントリーフーズの販売する無糖炭酸飲料である。

 https://www.suntoryfoods.co.jp/

 

サントリーといえば、

ミネラルウォーター「天然水」、

緑茶は「伊右衛門」、

烏龍茶は「黒烏龍茶」などは有名だ。

 

ただし、無糖炭酸飲料分野では、

大変地味な立ち位置だった。

 

「天然水 スパークリング  有機レモン」

コレが孤軍奮闘。

コンビニの棚の隅にかろうじて陳列されていた。

 

売りは、「天然水」ブランドの水の美味しさ。

ウイルキンソンの最強刺激に対して、ほどよい刺激。

最強刺激が苦手なボリュームゾーンを狙った商品。

 

しかも、ウィルキンソンタンサンでなく、

ウィルキンソンレモンをターゲット。

 

そんな今年7月。

 

「スパーリング」が新作のクラフト2商品を

追加した4商品で炭酸市場に勝負に来た。

 

結構コレが強力なラインナップである。

 

ウィルキンソンが個性軍団、ばらつきは大きい。

 

スパークリングは秀才でチームワーク型。

みな平均以上の出来栄え。

 

特にクラフト2商品は強力な戦略商品だ。

そのラインアップが以下のとおり。

 

* ***********************

1.天然水スパークリング 有機レモン使用

 

  スパークリングの定番商品。

  競合相手はウィルキンソンレモン。

 

  天然水と有機レモンの素材で勝負。

 

  成分(100mlあたり)

  無糖     0g 

  エネルギー  0kcal ・

  たんぱく質  0g 

  脂質     0g 

  炭水化物(糖類)0g

  食塩相当量  0.002g 

f:id:tmatsu06:20190730011103j:image

 * **********************

2.天然水スパークリング 有機グレープフルーツ使用

 

  スパークリングのレモンに次ぐ、定番商品。

  競合相手はウィルキンソングレープフルーツ。

 

  天然水と有機グレープフルーツの素材で勝負。

 

  成分(100mlあたり)

  無糖     0g 

  エネルギー  0kcal ・

  たんぱく質  0g 

  脂質     0g 

  炭水化物(糖類)0g

  食塩相当量  0.002g 

f:id:tmatsu06:20190729195251j:image

* ***********************

3.クラフト天然水スパークリング 

  無糖ジンジャー

  

  スパークリングのクラフト戦略商品。

  競合相手はウィルキンソンエクストラ。

 

  機能性表示食品(健康)に対して、風味で勝負。

 

  国産のジンジャーを煮込んだシロップに、

  有機ブドウ果汁・レモン果汁を加えた。

 

  成分(100mlあたり)

  無糖     0g 

  エネルギー  0kcal ・

  たんぱく質  0g 

  脂質     0g 

  炭水化物(糖類)0.4g

  食塩相当量   0.02g 

f:id:tmatsu06:20190729195413j:image

* ***********************

4.クラフト天然数スパークリング 

  無糖うめ

  

  スパークリングのクラフト戦略商品。

  競合相手はウィルキンソンエクストラ。

 

  機能性表示食品(健康)に対して、風味で勝負。

  

  国産の梅を塩で漬け込んで、

  有機ブドウ果汁・国産南高梅果汁を加えた。

  

  成分(100mlあたり)

  無糖     0g 

  エネルギー  0kcal ・

  たんぱく質  0g 

  脂質     0g 

  炭水化物(糖類)0.4g

  食塩相当量   0.05g 

f:id:tmatsu06:20190729195413j:image

スパークリングのラインアップが登場して、

一気に、コンビニ3社の動きも慌ただしくなった。

 

実際に、今夏の「熱闘 炭酸甲子園」を仕掛けたのは、

 

ファミリーマート

 

と私は見ている。

 

以下に整理してみたい。

* ***********************

ファミリーマート(以下「ファミマ」と略)

 

過去ウィルキンソンを積極的に販売してきたファミマ。

今回、スパーリングを積極的にに販売を始めた。

 

もちろんウィルキンソンもそのまま販売する。

 

本来、ファミマはウィルキンソンとの関係は一番良好。

ほぼ全ラインナップを精力的に販売してきた

 

証拠はファミマ独自の1リットルボトル(写真※3)。

昨年7月にファミマのみ販売を開始(※1)した。

本体税抜価格は138円。

 

ウィルキンソンの1リットルボトル(写真※4)は以下。

本体税抜価格は180円。

何とファミマ発売品よりも42円も高い(※2)。

 

それくらいファミマとウィルキンソンは蜜月関係だった。

 

ところが、

あっさりと、ファミマはスパークリングを全面投入。

 

しかも4ラインナップを同時に。

 

コンビニが飲料メーカ―より強いことがハッキリわかる。

 

※1 ファミマの1リットルウィルキンソン販売告知

https://www.family.co.jp/goods/drink/4251002.html

 

※2 ウィルキンソンのラインアップ

https://www.asahiinryo.co.jp/wilkinson/sp/lineup/

 

※3 写真 ファミリーマート独自の1リットルボトル

f:id:tmatsu06:20190729211211j:image

 

※4 写真 ウィルキンソン本体の1リットルボトル(ローソンもコチラを販売)

f:id:tmatsu06:20190729211240j:image

* ***********************

 2.セブンイレブン(以下、「セブン」と略)

 

セブンは、アサヒ飲料との共同開発の自社ブランドを持つ。

 

「強炭酸水 天然水仕立て(写真※5)」

「強炭酸水レモン 天然水仕立て(写真※6」

 の2商品。

 

ウィルキンソンタンサンおよびレモンより刺激を低め。

このため「強 炭酸水」と「最強」文字は付与していない。

 

両方とも成分(100mlあたり)は、以下の通りである。

 エネルギー:0kcal

 たんぱく質:0g

 脂質   :0g

 炭水化物 :0g

  糖質  :0g

  食物繊維:0g

 食塩相当量:0g

 

写真 ※5 セブンの「強炭酸水」

f:id:tmatsu06:20190729215611j:image

 

写真 ※6 セブンの「強炭酸水レモン」

f:id:tmatsu06:20190729195712j:image

この夏、セブンもウィルキンソン タンサンを販売し始めた。

ファミマの仕掛けた闘いへの対抗策だろう。

 

「最強刺激」ウィルキンソンと「強刺激」自社ブランド。

スパークリングレモンを売り出している。

ハッキリ言って、節操がないといえばその通り。

 

正に、売れるものを売るというセブンの戦略である。

ファミマのようにラインナップは並べず、売れ筋を選択。

 

自社     :今日炭酸水と同レモン(2種類)

ウィルキンソン:タンサンとシトラス (同上) 

スパークリング:レモン       (同上)

 

もちろん店によって仕入れは違うので一律には言えない。

* ***********************

3.ローソン

 

残念ながら、今回の熱い戦いの範囲外にあるようだ。

というより、ローソンに明確な戦略意図が見えない。

 

ファミマのような、フルラインアップ戦略

セブンのような、売れ筋集中戦略

 

 敢えていうなら、

ローソンは両者の中間戦略、

とでも言えるだろうか。

 

ウィルキンソンも、全種類置いてはいない。

タンサンはじめ多くて4種類。

タンサン1リットルサイズも販売。

 

スパークリングもレモンを中心に2~3種類。

 

熱闘の結果、

ウィルキンソンに転んでも、

スパークリングに転んでも、

リスク最小限に分散しておくということだろうか。

 

 最後に、もう1社不気味なメーカーがある。

 

そう、日本コカコーラである。

こと炭酸飲料に関する限りトップメーカー。

 

現状コンビニで販売しているのは以下のみ。

 

「スパークリング いろはす」 

 

ややこしい。

 

同じスパークリングでも、

 

日本コカコーラは「Sparkling」。

サントリーは「SPARKLING」。

 

区別するのは後者は「いろはす」ブランドだ。

 

ウィルキンソンタンサンやセブン強炭酸水より

刺激が柔らかい。

 

3社ともに販売しているようである。

いろはす」ブランドの炭酸水というイメージ。

 

今のところ、レモンなどは出していないが

この先、不気味な存在だ。

 

成分(100mlあたり)は、以下の通りである。

 エネルギー:0kcal

 たんぱく質:0g

 脂質   :0g

 炭水化物 :0g

  糖質  :0g

  食物繊維:0g

 食塩相当量:0g

 

f:id:tmatsu06:20190729235817j:image

実は、コカコーラは、

ウィルキンソン以上の「強炭酸水」を販売している。

 

コンビニでは見かけない。

カナダドライ「STRONG THE TANSAN」

スーパーなどで販売している 。

 

確かに、ダイレクトに飲むと、

胃から思わずゲップが出てしまうくらいの強烈さ。

 

ウィルキンソンタンサンで上記の症状はでない。

ウィルキンソン以上の刺激の強さか。

 

「強炭酸水無糖 ストロング ザタンサン(写真※7)」

「強炭酸水無糖 レモン ザタンサン(写真※8)」

 

成分(100mlあたり)は、両方とも以下の通り。

 エネルギー:0kcal

 たんぱく質:0g

 脂質   :0g

 炭水化物 :0g

  糖質  :0g

  食物繊維:0g

 食塩相当量:0g

 カフェイン:0g

 

※7 コカコーラの「カナダドライ ストロング ザタンサン」

f:id:tmatsu06:20190730001653j:image

※8 コカコーラの「カナダドライ レモン ザタンサン」
f:id:tmatsu06:20190730001649j:image 

  どうであろうか。

「熱闘炭酸甲子園」を盛り上げるメーカー・ブランド。

 

今年の熱い夏の闘いを制するのはどこだろうか?

 

絶対王者のウイルキンソンか?

新興王者のスパークリングか?

それとも、コカコーラのいろはすが何か仕掛けるか?

 

とても目が離せない。

 

長くなった。

 

最後に、王者ウィルキンソンの奮闘ぶりを伝えたい。。

 

今週日曜日、炎天下33度の大阪心斎橋駅。

何とウィルキンソンは無料で大量配布をしていた。

 

ウィルキンソンレモン」!!

 

なぜ新発売のシトラスではないのだろうか?

まあ、それはいいか。

 

道に行く人はみなウィルキンソンレモンを手にしていた。

凄い宣伝効果だ。

 

1本もらった私は、すぐに飲んだ。

やはり、うまい。

 

絶対王者も手を抜かずにやっている。

f:id:tmatsu06:20190730011141j:image
f:id:tmatsu06:20190730004144j:image

f:id:tmatsu06:20190729195820j:image


f:id:tmatsu06:20190729195824j:image