Y●式新頭ハリ療法との遭遇 Chapter 1-⑦
整体院に通っても、状況は改善しない。
改善しても、長続きしない。
こんな時はいろんな治療を試してみたくなる。
たとえ騙されても。
そんな中で、書店でふとある本が目に入った。
「あきらめなければ、痛みも麻痺も、必ず治る!」
鮮烈なタイトルが興味をそそる。
「Y●式新頭ハリ療法」、未知との遭遇である。
「ドイツ、アメリカはじめ、世界14か国以上が
その高い治療効果を認め、医療に導入! 」
(うさん臭い。あの整形外科医の本と一緒だ)
「ブラジルでは、医療に「Y●式」を導入後、手術や
薬の必要が減り、国家医療費が11%削減」
(いやこれは事実? 数字はうそをつなかいはず)
早速買って読んでみる。
ハリを病状に合わせて頭部の微妙な位置にも施し、
いろんな痛みや麻痺を改善させるというもの。
頭部にハリを打つとは聞いただけで恐そうだ。
宮崎にあるY先生の医院は随分先まで予約が取れない、
治療を求めて日本全国から大勢治療に来るらしい。
怪しそうだが、恐いもの見たさで試してみたい。
とはいえ宮崎まで治療に行くのはコスト負担は大。
本に「Y先生には全国に弟子がいる」とあった。
早速東京・埼玉近辺でY●式鍼治療院をネット検索。
たまたま東京都文京区にある鍼治療院を見つける。
ホームページを見るとちゃんとした鍼治療院のよう。
早速恐る恐る電話をしてみる。
これまでの病状、経緯とY●式ハリ治療希望を伝える。
「院長から来週直接携帯へ折り返しします」と返答。
聞いてみるとY●式新頭鍼治療ができるのは院長一人。
その週は研修のために不在とのことだった。
さすがに頭部。繊細な技術が必要なのか。
ハリを打つ場所を少しでも間違えると命に関わる??
不安感はいっきに増大する。
それでも勇気を出して連絡を待つことに。
数日後、自分の携帯へ院長から直接連絡が来た。
繊細とはほど遠く、少しガサツな感じの声。
「Mナカさん?」
「Mナガですけど」
「あ、ごめん。Mナガさんね?」
Y●式新頭鍼治療を受けたいんだって?」
一体どうしたの?」
先日電話で病状は詳しく伝えているはずだが・・・
仕方なく、これまでの経緯を詳しく説明する。
「本当は宮崎(のY医院)まで行くのがいいね。
だけど東京で受けたいんだったら打つけどね」
「いつにする? 来週水曜日ならあいてるよ。
何時なら来れる?」
院長の自信に満ち溢れたトークに完全に圧倒される。
増大していた不安は一気に横へ追いやられた。
「その日なら16時ならいけると思いますが。
費用はいく・・・」
「消費税入れて5000円でいいよ。」
「あの・・・・」
「大丈夫、任せときな。待ってるから。
あ、患者さんが来たから切るね」
こうして新頭式ハリ療法を受けることになった。