健康食「万病予防食品・梅(干し)」Chapter 7-②
今回、第7章2編のテーマは、
「健康食『万病予防食品・梅(干し)』」である。
健康食として梅干し(※1)を検証したい。
後半では手近な大手コンビ二3社の梅干しを、
食べ比べて検証したい。
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1.梅干しは歴史的にも薬効食品だった。
もともと梅(※2)は果物に分類される。
ご存知の通り、糖分が少なく酸味が強い。
種にある「アミグダリン(※3)」という、
有毒な青酸化合物のために生で食べられない。
梅干しなどの加工品として利用される。
梅干しになる時に有害なアミグダリンは喪失され、
代わりに「ベンズアルデヒド(※4)」という
香り成分に変化する。
梅干しはこのベンズアルデヒドと安息香酸(※5)
という強力な防腐作用を持つ成分を持つ。
そもそも梅干しは昔から薬効の多い食品だった。
第二次大戦以前の日本では抗生物質がなく、
下痢や腹痛の治療はもちろんのこと、
梅干しが使われていた。
また戦後しばらくお弁当といえば、
梅干しが真ん中に配置される「日の丸弁当」
(※8)が定番だった。
が殺菌作用を持っていたことによる。
今もお弁当の真ん中には梅干しが配置される。
まさに日の丸弁当の名残だろう。
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2.食卓での梅の効用について
梅干しはもちろん、梅ジュース・梅エキス等
いずれも加工すれば長く保存が効いて、
大変便利である。
梅ジュース
梅エキス
また、アルコール飲料に梅干しを入れて一緒に
飲めばクエン酸の効果で二日酔いを防止する。
梅サワー・梅ロック・梅酒など、アルコールと
一緒に提供されるには意味があるのだ。
梅サワー(糖質量:6.4g/100ml)
梅ロック(糖質量:20.7g/100ml)
梅酒(糖質量:20.8g/100ml)
なお梅の効能とは直接関係はないが、
特に梅酒・梅ジュースについては、
酸味ゆえに砂糖を入れ過ぎると、
逆に体を老化させる。
日本臨床栄養協会(※11)評議員兼管理栄養士、
遠藤恵子先生は梅酒について次のように言われる。
「梅酒100mlでスティックシュガー約9.8本分もの
砂糖が含まれ」ている。
「梅が氷砂糖に浸っているものを元にして
いて(中略)まさしく砂糖の塊」だという。
梅ジュースも糖質量が高く同様である。
そのために摂りすぎには注意が必要である。
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3. 体内での梅干しの効能について
梅干しに含まれるのが、クエン酸をはじめ
リンゴ酸(※12)、コハク酸(※13)。
これらの有機酸はだ液や胃液の分泌を促して、
代謝を上げて食欲増進や食欲促進に役立つ。
また唾液に含まれるバロチン(※14)は、
老化防止に効果がある。
の燃焼を助けて疲労回復を促す。
すでにご紹介した二日酔いの防止のほかにも、
梅干しには便秘、せきどめ、神経痛の緩和など、
さまざまな薬効がある。
医学博士兼イシハラクリニック院長
石原結實先生(※16)によると、
「1日最低1個の梅干しを摂ると、
万病の予防・改善につなが」るという。
まさに梅干しは万病予防食品と言って、
過言ではないだろう。
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4.コンビニ大手3社の「梅干し」を比べる。
梅干しが万病予防食材であることは分かった。
最後にみなさんが気軽に手にすることができる、
コンビニ大手3社の販売する「梅干し」。
もっと言うならば「南高梅(※16)」。
コチラの比較検証に移りたい。
今回も最後に「まっちゃん勝手ランキング」を、
発表したい。
今回は、
ローソン、
ファミリーマート(以降「ファミマ」と略)
の順番に計4種類の商品を検証してゆきたい。
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1.セブンイレブン
セブンは2種類の梅干しを販売している。
①は通常のセブン&iブランドで販売。
②はゴールド(金)シリーズとして販売。
今回は2種類とも取り上げたい。
①
和歌山県産
しそ漬け
①共同開発:南紀梅干㈱(※17)
②内容量 :80g
③個数 :5個
④原産地 :和歌山県(梅)
⑤特徴 :セブン&iプレミアム
⑥成分表示:可食部あたり(50g)
・エネルギー:34kcal
・たんぱく質: 0.3g
・脂質: 0.2g
・炭水化物: 7.9g
糖質: -g(記載なし)
食物繊維: -g(同上)
・食塩相当量: 4.2g
⑦値段: 298円(税込)
59.6円/個
評価
①本体 :4
②酸味 :3
③味覚 :4
④健康 :3
⑤価格 :4
⑥独自性 :4
⑦その他(調整):±0
⑧総合点 :22/30
コメント:
全商品中パックに5個と最小。
ただ写真で見ていただいた通り
シソが入っている点は評価。
梅干し独特の酸味は程よく、
白米との相性は絶妙である。
不自然に赤色が少し気になるが
そのほかの梅の粒の大きさや、
風味の豊かさは抜群である。
そう考えるとコスパは高い。
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①共同開発:南紀梅干㈱(※17)
②内容量 :100g
③個数 :7個
④原産地 :和歌山県(梅)
⑤特徴 :セブン&iプレミアムゴールド
⑥成分表示:可食部あたり(50g)
・エネルギー:86kcal
・たんぱく質: 0.7g
・脂質: 0.2g
・炭水化物: 20.8g
糖質: 18.8g(記載なし)
食物繊維: 2.0g(同上)
・食塩相当量: 4.6g
⑦値段: 398円(税込)
56.9円/個
評価
①本体 :4
②酸味 :2
③味覚 :3
④健康 :2
⑤価格 :2
⑥独自性 :4
⑦その他(調整):±0
⑧総合点 :17/30
コメント:
①に比べて糖質量は3倍以上。
梅干し独特の酸味はわずかで、
はちみつの甘さが全体を包む。
白米との相性は悪くないが、
どちらかと言えばそのまま
おやつ感覚で食べる一品。
①との価格差は100円。
梅干し独特の酸っぱさは
ほとんど消えて、
甘さのみが追及された。
梅ロックや梅サワーなどにも、
適合する甘さが特徴。
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2.ローソン
南高梅干
しそ漬
①共同開発:販売:ローソン
製造:紀南農業協同組合 (※18)
②内容量 :80g
③個数 :6個
⑤特徴 :ローソンセレクト
合成着色料・人工甘味料不使用
⑥成分表示:可食部あたり(60g)
・エネルギー: 43kcal
・たんぱく質: 0.7g
・脂質: 0.2g
・炭水化物: 9.6g
糖質: -g(記載なし)
食物繊維: -g(同上)
・食塩相当量: 7.9g
⑦値段: 324円(税込)
54.0円/個
評価
①本体 :4
②酸味 :4
③味覚 :3
④健康 :4
⑤価格 :3
⑥独自性 :3
⑦その他(調整):±0
⑧総合点 :21/30
コメント:
健康志向のローソンらしく、
合成着色料-人工甘味料不使用。
色は4種類中一番茶色に近い
農協ブランドの南高梅だけに、
梅独特の酸味は一番強い。
逆に酸味が強過ぎて、
白米の風味を消してしまうほど、
個性が強い。
昔ながらの梅干しの酸っぱさを
求める向きにはフィットする。
全体にコスパは悪くない。
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3.ファミリーマート
ほんのり甘口うす塩味
爽やかな酸味と優しい甘みが調和した
塩分5%の梅干しです。
①共同開発:中田食品㈱(※20)
②内容量 :90g
③個数: 10個
④原産地 :和歌山県(梅)
⑤特徴 :お母さん食堂 ファミマ商店街
⑥栄養成分表示:可食部あたり(100g)
・エネルギー: 85kcal
・たんぱく質: 1.1g
・脂質: 0.1g
・炭水化物: 22.1g
糖質: 17.9g
食物繊維: 4.2g
・食塩相当量: 4.6g
⑦値段: 306円(税込)
30.6円/個
評価
①本体 :3
②酸味 :2
③味覚 :3
④健康 :3
⑤価格 :3
⑥独自性 :4
⑦その他(調整):±0
⑧総合点 :18/30
コメント:
セブンの「金の梅干し」を意識。
梅干しというものの、
独特の酸味は全くなく、
甘味しか残らない。
梅干し独特の酸っぱさを求める
向きには不満が残る。
逆に酸味が苦手な方には、
ちょうどよい感じか。
白米と合わせても、
何かしまりのない感じがする。
砂糖菓子感覚の梅干し。
そのままおやつになる一品。
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最後に整理しておこう。
コンビニ南高梅食べ比べ
「まっちゃん勝手ランキング」
の結果は以下の通り。
22点
①梅干し本来の甘酸っぱさ
②しそ入りで風味豊か
2位:ローソン 南高梅干
21点
①農協ブランド梅の個性的な酸味
②健康配慮(着色料・甘味料不使用)
18点
①徹底して甘みを追求
②そのまま食べられる梅干し
4位:セブン② 金の梅干
17点
①はちみつ梅のほんのりした甘さ
②アルコールにフィットする風味
ひとつの参考にしてほしい。
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「梅干し」。
歴史的にも薬効の多い食品。
日本に生まれてよかったと、
と思える一品である。
なお実を言うと、
梅干しと最高に相性が良いのは、
「緑茶」である。
まさに伝統的な日本の食文化は、
健康にも最適だったのだ。
【今日のひとこと】
健康食材として、
梅干しの価値が高まることを
期待したいものだ。
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(注釈)
※1 梅干しについて
https://ja.wikipedia.org/wiki/梅干し
※2 梅(ウメ)について
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウメ
※3 アミグダリンとは何か?
https://ja.wikipedia.org/wiki/アミグダリン
※4 ベンズアルデヒドとは何か?
https://ja.wikipedia.org/wiki/ベンズアルデヒド
※5 安息香酸とは何か?
https://ja.wikipedia.org/wiki/安息香酸
※6 腸チフスとは何か?
https://ja.wikipedia.org/wiki/腸チフス
※7 赤痢とは何か?
https://ja.wikipedia.org/wiki/赤痢
※8 日の丸弁当とは何か?
https://ja.wikipedia.org/wiki/日の丸弁当
※9 有機酸とは何か?
https://ja.wikipedia.org/wiki/有機酸
※10 クエン酸とは何か?
https://ja.wikipedia.org/wiki/クエン酸
※11 日本臨床栄養協会について
※12 リンゴ酸とは何か?
https://ja.wikipedia.org/wiki/リンゴ酸
※13 コハク酸とは何か?
https://ja.wikipedia.org/wiki/コハク酸
※14 乳酸とは何か?
https://ja.wikipedia.org/wiki/乳酸
※15 石原結實先生について
※16 南高梅とは何か?
https://ja.wikipedia.org/wiki/南高梅
※17 南紀梅干㈱について
https://www.facebook.com/nankiumeboshi/
※18 紀南農業協同組合について
※20 中田食品㈱について
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(参考図書)
・石原結實著
「病気にならない体をつくる食べ物事典」
(PHP研究所)
・済陽高穂著
「40歳からは食べ方を変えなさい!」」
(三笠書房)
・笹井恵理子著
「週刊文春 老けない最強食」
(文芸春秋)
・藤田紘一郎著
「体がよみがえる『長寿食』」
(三笠書房)
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