ヤバイ食!「タンパク質の摂取術」Chapter 6-⑯
今回、第6章16編のテーマは、
「ヤバイ食!『タンパク質(※1)の摂取術』」
である。
タンパク質と言えば、
「筋肉、血管、骨など、体のあらゆる細胞を作る、
重要な構成成分」である。
多くの人はタンパク質に関してこれ位の知識しか、
持たないことが多いのではないだろうか?
少なくとも個人的には数年前までタンパク質の詳細を
理解しているとは言い難かった。
そこで今回は以下の2部構成でお届けする。
前半ではタンパク質の効用を健康面から検証する。
後半では大手コンビ二のさばみそ煮缶の比較を行う。
何故、さばみそ煮缶を取り上げるのかについては、
この後で明らかにしたい。
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1.タンパク質について数字面で理解する
タンパク質を数値面で表してみると、
以下の通りとなる。
①体重の20%はタンパク質。
体重の40%は筋肉の重みであり、
筋肉は水分を除くと大部分がタンパク質の固まり。
筋肉の大半は骨と骨とをつなぎ、
関節を動かしている骨格筋。
骨格筋は全タンパク質の約半分を占める。
②タンパク質は20種類のアミノ酸(※2)から構成。
筋肉はもとより皮膚、血管、消化器など、
体の主要パーツもタンパク質から作られる。
タンパク質は英語で「プロテイン」であるが、
語源はギリシャ語の「プロティオス」。
訳すると「第一に大切なもの」となる。
③アミノ酸の中の9種類は体内で合成されない。
一般に「必須アミノ酸(※3)」の9種類は、
体内に合成系を持たないか、
合成量が必要量に満たないアミノ酸である。
コレラは肉類、魚介類、牛乳、乳製品、
大豆・大豆製品に豊富に含まれる。
基本的に食事からの摂取が必要となる。
④身体は10万種類のタンパク質から構成。
血液中で生命活動に必要な酸素を運ぶ
「ヘモグロビン(※4)」。
血液中で自然治癒力を担う、
「免疫グロブリン(※5)」。
化学反応の触媒となる各種酵素、
脳内で情報を伝える神経伝達物質
などなど。
すべてタンパク質とアミノ酸から構成され、
合わせると全部で数万から最大10万種の
タンパク質が体内に存在するといわれる。
最小限の材料(アミノ酸)でかくも多種多様な
完成品(タンパク質)を作ってしまう人体は、
凄いとしか言いようがない。
⑤筋肉は2か月で完全に入れ替わる。
身体の10万個のタンパク質は分解と合成を、
繰り返している。
タンパク質にも決まった役割があり、
その働きを落とすことのないように、
常時リフレッシュしている。
皮膚や血管を作るタンパク質のように、
10年以上の寿命を持つものがある。
一方筋肉は毎日1.8%ほどが新陳代謝して、
2か月でそっくり入れ替わることになる。
⑥骨も40%はタンパク質(コラーゲン)で構成
コラーゲン(※6)という 線維上のタンパク質と、
オステオポンチン(※7)などの非コラーゲン性
タンパク質が骨を支えている。
骨は破壊細胞が破壊し、
骨芽細胞が再建する骨リモデリング(※8)で、
1年で約20~30%が入れ替わる。
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2. タンパク質の摂取について数値で理解する。
大事なタンパク質をどれくらい摂取すべきか、
数値面で表すと以下の通りとなる。
①タンパク質の摂取は体重1キロあたり1g。
標準的な体型の人で1日180~200gの
タンパク質が生成される。
一方で日本人が1日に摂るタンパク質量は、
平均70gである。
差分はアミノ酸のリサイクルシステムで、
補完されるが、必ずしも100%ではない。
通常体重あたり0.8~1gがタンパク質の必要量。
体重70Kgなら56~70gとなる。
不足分を食事で補ってゆくのが基本となる
万一タンパク質の生成が不十分となると、
身体のパフォーマンスが低下することに。
②タンパク質の30%は浪費されて太りにくい
食べてカロリーになるのは3大栄養素。
糖質、脂質、タンパク質の3つとなる
糖質とタンパク質は1g4キロカロリー、
脂質は9キロカロリーの熱量を発する。
摂取したカロリーのの一部は熱に変わって
浪費されることになる。
コレを食事誘発性熱産生(DIT ※9)という。
実はDITの数値は3大栄養素で差がある。
脂質は5~10%、脂質は3~5%であるが、
タンパク質は20~30%に達する。
タンパク質は数百ものアミノ酸からなる分子量の
大きな物質のため、消化吸収と代謝に回される
熱が多いことになる。
日本人の平均的な食事でDITが10%程度、
タンパク質を多く含んだ食事だとDITは上がる。
同じ摂取カロリーでも熱に変わる部分が多いため
結果的に太りにくくなる。
③体重1kg当たり2.0g以上の過剰摂取は控える
①で述べた通りタンパク質は体重1kgあたりで
最大1.0g必要となる。
タンパク質をそれ以上過剰に摂取しても、
筋肉が大きくなるわけではない。
第1にタンパク質は1gあたり4キロカロリーの
熱量を発するエネルギー源である。
そのために摂り過ぎるとカロリー過多から、
肥満リスクを上げる
第2にタンパク質には窒素が含まれる。
分解過程でフリーの窒素は体外に排出せざるを
得なくなる。
そのためにタンパク質を過剰に摂ると、
肝臓と腎臓のオーバーワークとなり、
内臓疲労を招くリスクがあるのだ。
④タンパク質は食事から摂るのが基本。
ごはん、パンや野菜からタンパク質はもちろん
補うことができる。
積極的に摂取したいのは肉類、牛乳・乳製品、
魚介類、卵類、大豆・大豆製品の5つの食品群。
5つの食品群はアミノ酸スコア(※10)が100点
満点となっている。
このスコアは食品を構成する必須アミノ酸の
バランスでタンパク源を評価する指標となる。
5つの食品群すべてを1日1回食べると、
必須アミノ酸を過不足なく補うことができる。
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3.高タンパク食材ベスト10は何だろうか。
管理栄養士、
貴堂明世先生(※11)が監修された
「高タンパク食ベスト50」。
栄養、コストパフォーマンス、使い勝手など
各種の要素を組み入れて算定したなかで
ベスト10を発表したい。
10位から順に発表したい。
10位:焼き豆腐(1丁300g)
豆腐はバランスに優れた万能食材。
湯豆腐などにして300gを目標に。
タンパク質:23.4g
脂質: 17.1g
カロリー: 264kcal
9位:マグロ赤身(100g)
タンパク質が多く低カロリー。
コストの高さが勇逸の難点か。
タンパク質:24.3g
脂質: 0.4g
カロリー: 106kcal
8位:サバ(1切120g)
焼いても煮てもよい万能食材。
脂質とカロリーが少し高い。
タンパク質:24.8g
脂質: 14.5g
カロリー: 242kcal
7位:カツオ(150g)
高タンパク魚の代表格。
旬の時期を逃さないように。
タンパク質:25.0g
脂質: 6.2g
カロリー: 165Kcal
6位:豚ひれ肉(100g)
高タンパクで低脂質。
ヒレカツで食べる機会が多い。
タンパク質:22.8g
脂質: 1.9g
カロリー: 115kcal
5位:鶏ささみ肉(100g)
低脂質で低カロリーの優等生。
サラダに加えて食べよう。
タンパク質:23.0g
脂質: 0.8g
カロリー: 105kcal
4位:いわし味付け缶(1缶150g)
実はイワシも高タンパク。
低カロリーなのもうれしい。
タンパク質:30.6g
脂質: 17.9g
カロリー: 318kcal
3位:さば味噌缶(1缶160g)
意外な高タンパク食。
料理の手間を考えて缶詰で。
塩分とカロリーが気になる場合は
汁部分を残すとよい。
タンパク質:31.0g
脂質: 26.4g
カロリー: 412kcal
2位:牛すじ肉(100g)
高タンパクで低カロリー、
脂質も高くない優良食材。
コンビニおでんで手軽に摂れる。
タンパク質:28.3g
脂質: 4.9g
カロリー: 155kcal
1位:うなぎのかば焼き(1尾160g)
脂質の多さは気になるものの、
補ってあまりあるタンパクの高さ。
月一度の贅沢食として、
しっかりタンパク質を取ろう。
タンパク質:36.8g
脂質: 26.4g
カロリー: 412kcal
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4. 高たんぱく「さばみそ煮缶」の比較
最後にコンビニ大手3社の販売する
「さばみそ煮缶」。
コチラの比較に移りたい。
今回も最後に「まっちゃん勝手ランキング」を
発表したい。
残念ながら、
ファミリーマート(以下「ファミマ」と略〉は、
単独でさばみそ煮缶を販売していないため
代わりファミマでに販売していた
マルハニチロ製さばみそ煮缶を 取り上げたい。
そのため今回は、
ローソン、
の順番に見てゆきたい。
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1.セブンイレブン
セブンはさば味噌煮缶を国内産・ノルウェー産、
の2種類取り扱っている
今回は2種類ともに取り上げる。
①国産さば みそ煮
塩こうじを加えたまろやかな甘味とうま味のみそ煮です
①共同開発:(株)STIフードホールディングス(※12)
②内容量 :190g(固形量140g)
③原産国 :国産
④特徴 :セブン&iプレミアム
⑤成分表示:1食あたり(190g)
・エネルギー:437kcal
・たんぱく質: 28.1g
・脂質: 30.4g
・炭水化物: 13.1g
糖質: 12.4g
食物繊維: 0.7g
・食塩相当量: 2.9g
⑥値段: 178円(税込)
評価
①本体 :3
②味噌 :4
③味覚 :3
④健康 :4
⑤価格 :4
⑥独自性 :3
⑦その他(調整):±0
⑧総合点 :21/30
コメント:
セブンらしく風味を重視しつつ、
健康も重視もした商品。
さば本体は身がしっかり詰まり、
歯ごたえがある。
味噌はやや濃いめやや甘めがあり、
サバとの相性は良い。
コスパが一番高い。
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②ノルウェー産さば使用
さばみそ煮
①共同開発:(株)STIフードホールディング(※12)
②内容量 :150g(固形量90g)
③原産国 :ノルウェー
④特徴 :セブン&iプレミアム
⑤成分表示:1食あたり(150g)
・エネルギー: 373kcal
・たんぱく質: 19.2g
・脂質: 26.5g
・炭水化物: 14.3g
糖質: -g(記載なし)
食物繊維: -g(同上)
・食塩相当量: 2.0g
⑥値段: 238円(税込)
評価
①本体 :4
②味噌 :5
③味覚 :4
④健康 :3
⑤価格 :3
⑥独自性 :4
⑦その他(調整):±0
⑧総合点 :23/30
コメント:
ノルウェー産のさばを使った
高級路線の商品。
上の①より風味を徹底重視。
サバは大振りながら柔らかい。
そのうえ来の風味も漂う。
味噌は濃厚であり、
サバとの相性は絶妙である。
風味を勘案しても、
①との50円の価格差は、
十二分に埋められている。
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2.ローソン
DHA・EPA含有
さばみそ煮
国産さば使用
①共同開発(株)高木商店(※13)
②内容量 :190g(固形量140g)
③原産国 :国産
④特徴 :
DHA(※14):2,766mg
EPA(※15):2,348mg
⑤成分表示:1食あたり(140g)
・エネルギー:440kcal
・たんぱく質: 27.9g
・脂質: 29.1g
・炭水化物: 16.5g
糖質: -g(記載なし)
食物繊維: -g(同上)
・食塩相当量: 2.2g
⑥値段: 188円(税込)
評価
①本体 :3
②味噌 :3
③味覚 :3
④健康 :4
⑤価格 :4
⑥独自性 :3
⑦その他(調整):±0
⑧総合点 :20/30
コメント:
ローソンらしく健康重視商品。
DHA・EPAも含有している。
さば本体は身がしっかり詰まり、
やや硬めで歯ごたえがある。
味噌はやや薄めであっさり風味。
やや風味面で味噌がサバよりも、
勝っている感あり。
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3.ファミリーマート
(マルハニチロ)
さばみそ煮
毎日とろう!DHAのチカラ
①開発: マルハニチロ(株)(※16)
②内容量 :190g(固形量140g)
③原産国 :国産
④特徴 :
DHA:2,766mg
EPA:2,348mg
⑤成分表示:1食あたり(140g)
・エネルギー:440kcal
・たんぱく質: 27.9g
・脂質: 29.1g
・炭水化物: 16.5g
糖質: -g(記載なし)
食物繊維: -g(同上)
・食塩相当量: 2.2g
⑥値段: 260円(税込)
評価
①本体 :3
②味噌 :4
③味覚 :3
④健康 :4
⑤価格 :3
⑥独自性 :3
⑦その他(調整):±0
⑧総合点 :20/30
コメント:
マルハニチロ製品だけに、
風味と健康面の両面を追求。
DHA・EPAを含有する。
さば本体は身がやわらかく、
本来の風味を残している。
味噌は濃厚でやや甘めがあり、
サバとの相性は悪くない。
他社と70~80円の価格差を埋める
インパクトに欠けるか。
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最後に整理しておこう。
さばみそ煮缶比較、
「まっちゃん勝手ランキング」
の結果は以下の通り。
1位:セブン② 22点
ノルウェー産さば使用
さばみそ煮
①やわらかくしっかりした身
②濃厚みそとサバとの絶妙の相性
2位:セブン① 21点
国産さばみそ煮
①程よく詰まったサバの身
②やや濃いめのみそとの相性
3位:ローソン 20点
さばみそ煮
①薄味でさっぱりした味噌
②歯ごたえのあるサバの身
4位:マルハニチロ 20点
(ファミリーマート)
さばみそ煮
①大振りで柔らかなさばの身
②濃い濃厚な味噌
ひとつの参考にしてほしい。
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「さばみそ煮」缶。
独断ラインキングしたものの、
1位から4位までかなり接戦。
各商品ともレベルが高い。
脂質が多いなどのあるが、
これだけ手軽で安価で手に入る
高タンパク食もあまりない。
サバからみそ煮をつくるのが
ベストだが、
時間を手間を大幅にかかる。
そんな時に、
缶詰の選択肢はありだと思う。
(今日のひとこと)
1日5つの食類を
バランスよく摂って、
タンパク質をチャージする。
魚類不足の時はさば缶だ!
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(注釈)
※1 タンパク質とは?
https://ja.wikipedia.org/wiki/タンパク質
※2 アミノ酸とは?
https://ja.wikipedia.org/wiki/アミノ酸
※3 必須アミノ酸とは?
https://ja.wikipedia.org/wiki/必須アミノ酸
※4 ヘモグロビンとは?
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヘモグロビン
※5 免疫グロブリンとは?
https://ja.wikipedia.org/wiki/抗体#ヒト免疫グロブリンの分類
※6 コラーゲンとは?
https://ja.wikipedia.org/wiki/コラーゲン
※7 オステオポンチンとは?
http://www.bonyuukenkyuu.com/opn/
※8 骨リモデリングとは?
https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/keyword/3044.html
※9 食事誘発性熱産生(DIT)とは?
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-030.html
※10 アミノ酸スコアとは?
https://ja.wikipedia.org/wiki/アミノ酸スコア
※11 貴堂明世先生について
https://www.elle.com/jp/author/300115/pl-akiyo-kidou/
※12(株)STIフードホールディングスについて
※13(株)高木商店について
https://www.takagi-shouten.com/
※14 DHAとは?
https://ja.wikipedia.org/wiki/ドコサヘキサエン酸
※15 EPAとは?
https://ja.wikipedia.org/wiki/エイコサペンタエン酸
※16 マルハニチロ(株)について
https://www.maruha-nichiro.co.jp/home.html
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(参考図書)
・牧田善二著
「医者が教える食事術実践バイブル2」
(ダイヤモンド社)
・笹井恵理子監修
「週刊文春 老けない最強食」
・津川友介著
「世界一シンプルで科学的に証明された
究極の食事」(東洋経済新聞社)
・池井佑丞著
「闘うドクター池井の3週間ダイエット
(朝日新聞出版)
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